FXでよく言われることに、
「リスクリワードを意識すべき」
というのがありますよね。
でも実際にリスクリワードを決めて
トレードをしても上手くいかないと、
「リスクリワードは意味がないのでは?」
なんて感じる事も多いと思います。
昔の私自身も
リスクリワードにとらわれ過ぎて
上手くいかずに、
意味がないと感じた時期がありました。
そこで今回は、
・FXでリスクリワードは意味がないのか?
・これだけでも勝てるのか?
・正しい考え方や使い方は?
といった事について、
私の考えをお伝えしていきます。
FXにリスクリワードは意味がない?
FXを長くやっていると、
「リスクリワードは意味がない」
なんていうのを
たまに聞くことがあります。
ですが、私の経験上では
リスクリワードは意味がないどころか
大きくありました。
なぜなら、
手法を作る時に
リスクリワードを決めないと
どのくらいの勝率を目指せばいいか
よくわからずに
検証が進まなかったからです。
また、
仮にリスクリワードを決めずに
検証をしたとしても、
検証データを全て見返して
手法を改善する時に
「リスクリワードがこのくらいなら
更に結果がこのくらい良くなるな」
という目安が見つかる事も多かったです。
更に実践に入れば、
リスクリワードを決めずに
トレードをしていた時は
適当な感覚で利食いをする事が多かったので、
損益が安定せずに
勝てない状態が続いた事もあります。
逆にリスクリワードを決めておくことで
損切りになったとしても
次に利食いができれば取り返せるから
全然大丈夫という安心感がありました。
これ以外にも、
「このぐらいのリスクリワードなら
このぐらいの勝率があれば
トータルでプラスになる」
という目安がわかるので、
このお陰で焦らずにトレードができました。
このような経験から、
リスクリワードは
自分のトレードの基準を作って
メンタルを安定させるのに
物凄く役立ってくれたので、
私にとっては
意味がないなんて事は全くありませんでした。
そもそもなぜ意味がないと言われるのか?
私にとっては
大いに意味がある
リスクリワードですが、
そもそもの話、
なんで意味がないと言われるのでしょうか?
ここに関しては、
想定と現実の違いによって
こう言われるようになったのだと
私は考えています。
例えば、FXで勝てない頃の私が
リスクリワードを知った時って、
「リスクリワードが1:2なら
勝率50%でも勝てる」
という部分だけを鵜呑みにしていました。
だから、リスクリワードだけを決めて、
あとは適当にトレードをしていたのですが、
利食いまで届かずに戻ってきて
損切りばかりになっていました。
これ以外にも、含み益になると
それを取り逃したくない気持ちが強くなって、
本来の利食いポイントに
届く前に利食いをしてしまい、
自らリスクリワードを悪くしていました。
こういうのが続いて
勝てない状況になると、
「リスクリワードを決めたら勝てるって
言われてるのになんで勝てないんだ?」
「これって意味がないのでは?」
なんて思っていました。
しかし、本来リスクリワードは
決めさえすれば勝てる魔法の数字ではなく、
損切りや利食い位置を決めた結果として
算出される目安にすぎません。
その為、
先にリスクリワードありきではなく、
相場状況を加味した上で
決まっていくものなのです。
私が勝てなかった頃は
リスクリワードだけを決めて
それ以外は適当にトレードをしていたので、
机上の空論のようになり、
意味がないと感じてしまったのです。
つまり、
リスクリワード自体に意味がないのではなく、
「使い方を間違えると意味がなくなる」
というのが本当のところなんですよね。
FXはリスクリワードだけでも勝てる?
「リスクリワードは意味がある」
こういうふうに言うと、
「じゃあリスクリワードだけで勝てるの?」
という事を思うかもしれませんが、
リスクリワードだけでは勝てません。
先程も軽くお伝えしたように、
リスクリワードだけを決めて
トレードをしても、
相場状況を正しく判断できないと
意味がないものになります。
つまり、
リスクリワード通りに
チャートが動く可能性が高い場所で
エントリーをしたり、
適切な損切りや利食い位置を判断できる
トレード技術が必要なのです。
例えば、
リスクリワードだけを決めて、
適当な位置に損切りを設定しても、
その場所が多くの相場参加者が
諦めて損切りをしてくるような場所でないと、
損切り後に反転する事が多くなります。
また、反転する可能性が高い
強いレジスタンスが近くにあるのに
そこよりずっと上に
リスクリワードで決めた利食い位置があれば、
当然、そのレジスタンスに跳ね返されて
戻ってくる確率も高くなります。
更には、
レートが伸び切ったような場所で
適当にエントリーをすれば、
すぐに逆行されて
損切りにもなりやすいです。
このような事から、
リスクリワードだけを
頼りにしても勝つことはできません。
大事なのは、
相場の状況を正しく読み取る技術と組み合わせて
初めて活きる基準だということです。
言い換えれば、
リスクリワードはトレード技術に
方向性を与えるコンパスのようなもの。
それ自体が勝ちを生むわけではなく、
根拠のあるエントリーや損切り、
利食いの判断があってこそ意味を持ちます。
だからこそ、リスクリワードを
万能な武器として過信するのではなく、
技術を支える指標のひとつとして活用することが、
FXで安定して勝ち残るために必要なのです。
もし、精度の高いエントリー方法や
適切な決済位置などについて
詳しく知りたい場合は、
以下の記事も読んでみてください。
リスクリワードと勝率の関係
FXはリスクリワードだけで
勝つことは難しいのですが、
基準や目安として活用すれば、
大きく役立ってくれます。
特に、
リスクリワードを把握すれば、
どのくらいの勝率で
資金が増えていくのかが
見えてきます。
そこで、
リスクリワードと勝率が
どのくらいの組み合わせになれば、
損益分岐点がゼロになるのかを
以下に簡単に表にしてみました。
リスクリワード | 勝率 |
1:0.5 | 67% |
1:1 | 50% |
1:1.5 | 40% |
1:2 | 34% |
1:2.5 | 29% |
1:3 | 25% |
1:3.5 | 23% |
1:4 | 20% |
1:4.5 | 19% |
1:5 | 17% |
例えば、
リスクリワードが1:0.5の時は
勝率が67%で
トータルの成績がゼロになります。
つまり、
勝率が68%以上になれば、
トータルでプラスになるので、
このリスクリワードを使う場合は、
大体勝率が70%を超えるトレードを
する必要があります。
もしこれが、
リスクリワードを1:3にするなら、
勝率が26%以上あれば、
トータルで勝てて、
資金が増えていくことになります。
こういう部分を把握しておけば、
今の自分の手法は勝率と
リスクリワードのバランスが合っているのか。
改善するなら勝率を上げるべきか、
リスクリワードを見直すべきか。
このような判断をしやすくなります。
大事なのは、
リスクリワードと勝率を切り離さずに
セットで考えることです。
どちらか一方に偏ると
机上の空論になりやすいですが、
両方をバランスよく見ていくことで、
安定した手法を作り上げることができます。
リスクリワードはなるべく偏らない方がいい
上記では、リスクリワードと
勝率の関係について
簡単に紹介をしました。
やはり、
リスクリワードが良いほど、
勝率が低くても勝てるので、
精神的には楽になりますよね。
しかし、実際の相場では
リスクリワードが良ければ、
絶対に良いというものでもありません。
リスクリワードが良すぎる時の弊害
リスクリワードを大きくすれば、
理論上は
勝率が低くても勝てるのですが、
実際にやってみると
かなりキツイ部分が出てきます。
例えば、
リスクリワードを1:5にすると、
勝率が30%であっても、
資金は増えていきます。
仮にこの条件で、
・損切り:-50pips
・利食い:+250pips
と設定して、
トレードを100回した場合、
トータルで+4,000pipsにもなります。
勝率がたったの30%で
この成績なら十分ですよね。
仮に10万通貨でトレードをしたら
400万もの利益になります。
しかし現実はそうもいきません。
なぜなら、
トレードをしていると
“必ず3回に1回は勝てる”
というのではなく、
普通に5連敗などが続きます。
私の経験上だと、
勝率が30%なら、
平気で10連敗とか起きます。
こういうのを目の当たりにすると、
いくら低い勝率で勝てるとわかっていても、
「このまま続けて本当に勝てるのか?」
といった不安に襲われます。
この不安のせいで、
本来利食いを伸ばすべき場所で
伸ばせずに利食いをしてしまい、
その後に大きく伸びて
本来の利食いポイントまで届く。
もしくは、
これ以上の損失が怖くて
エントリーを見送ってしまい、
勝てたトレードを逃してしまう。
こういう事が起きて、
本来のトレードの優位性を壊して、
本当に勝てなくなってしまうのです。
実際に私自身も、
リスクリワードを1:5にして
トレードをしていた事があるのですが、
精神的にかなりきつかったです。
基本は連敗ばかりだし、
含み益になっても、
あと少しのところで戻ってきて
損切りになる事も多かったです。
更に、利食いを大きく伸ばすことで、
決済になるまで時間が掛かるので、
「また含み益が消えて損切りになるのでは?」
っていう不安を抱える時間が長かったです。
だから、
トレードのストレスが
私には大き過ぎて、
結局耐えられずに
辞めてしまった経験があります。
もちろん、
「勝率が低くても全然平気」
みたいな人もいるので、
そういう人であれば、
リスクリワードを良くしても
何の問題もないもでしょう。
しかし、多くの人にとっては
ストレスになる事の方が多いと思うので、
リスクリワードが良すぎるのは
あまり実用的ではなく、
机上の空論になりやすいです。
リスクリワードが悪すぎる時の弊害
逆にリスクリワードが小さいと
勝率が高くなる傾向があります。
その為、勝率重視で
トレードをしたい場合は、
リスクリワードを小さくすると効果的です。
特にこれは
スキャルピングをやる時なんかに
力を発揮してくれます。
しかし、リスクリワードが
悪すぎる時も弊害は出てきます。
例えば、私はFXを始めた当初は
スキャルピングをしていたのですが、
この時のリスクリワードが1:0.3~0.5でした。
つまり、損切りが-10pipsなら、
利食いが+3~5pipsという事です。
この比率だと、
一見勝率が良くて勝てそうに思えるのですが、
当時の私はトレード技術がなかったので、
勝率が良くて60%でした。
要するに、高勝率が必要なのに
それを維持することができなかったのです。
だから、
トレードをすればするほど
資金が減っていきました。
その結果、
「これは一発逆転を狙わないと勝てない」
と考えてしまい、
急にロットを大きく上げて
トレードをするようになりました。
しかし、トレード技術がないので
当然勝てるわけもなく、
これがきっかけで大損をしました。
また、リスクリワードが悪いことで、
1回損切りになると、
「2連勝以上しないと取り返せないのか」
と考えてしまい、
焦って強引にトレードをする事も
しょっちゅうでした。
こういう焦ってトレードをする時も
感情だけでエントリーをするので
当然勝てるわけがありません。
だから、また負けてしまうと、
そこからは1発で取り返す為に
ここでもロットを上げて
リベンジトレードをしていました。
このように、
リスクリワードが悪過ぎると、
トレード技術がなくて
高勝率を維持できない場合に
余計なことをしやすくなります。
ですから、
リスクリワードを決める時は
大きな利益や高勝率が良いからといって、
無理に偏らせることはせずに
自分のメンタル面や
トレード技術に合わせて
決めていくべきだと私は考えています。
もし、リスクリワードの決め方について
詳しく知りたい場合は、
以下の記事も読んでみてください。
⇒FXでの利確と損切りの比率はいくつがベスト?勝ち組の割合は?
リスクリワードを使ったエントリー判断の基準
リスクリワードは
それだけで勝とうとすると
意味のないものになるのですが、
正しい使い方をすれば
安定したトレードをするのに
役立ってくれます。
そこでここでは、
トレードをする時の
リスクリワードを使った
エントリー判断の考え方を
簡単に紹介します。
例えば、リスクリワードが
1:2のトレードをしていて
下記チャート画像の
赤ライン近辺で
戻り売りを狙っているとします。
全体の流れを見ると下落トレンドで、
赤ライン辺りでは
サポートとして何度も反応しているので、
今度はここがレジスタンスになる可能性があります。
要するに、サポレジ転換です。
仮にこの赤ラインで売った場合、
損切りは赤ラインを上へ抜けた場所になります。
そして利食いの目途は直近の安値になります。
この時に売りを狙っている場所から
損切りまでの距離は約25pips。
利食いまでの距離は約70pips。
ということは、
リスクリワードは1:2を超えるので、
この位置では
エントリーが狙える事になります。
これを頭に入れた上で、
この後の動きを見てみましょう。
売りを狙っていた赤ラインを超えて
レートが上がってきました。
直近の流れを見ると、
上昇の勢いが強いので
このまま上がる可能性があります。
その為、
ここではエントリーをせずに様子見をします。
では、少しローソク足を進めてみます。
今度は上昇が止まって、
赤ラインの下まで
レートが落ちてきました。
下落トレンドなので、
買いが続かなかったようです。
よって、
ここから下がってもおかしくないので、
売りでエントリーをしてもいいのですが、
この位置だと、
損切りを直近の高値を超えた場所の
-50pipsへ設定する事になります。
そして、利食いは
直近の安値が目途になるので、
この売りの位置からだと
+50pipsになります。
これだと、
リスクリワードが1:2のトレードを
できない事になりますよね。
その為、ここではエントリーができません。
ですから、
もしここから下がっていってしまったら
ノートレードで終わることになります。
もちろん、ここで売って、
損切り幅が-50pipsで、
利食い幅を+100pipsにすれば、
リスクリワードが1:2になって
トレードができます。
しかし、
ここで無理に入って
直近の安値で反発をして
損切りになってしまったら
設定したリスクリワードを
無視した形になって、
自分のトレードの優位性を
壊すことになります。
こういう事をやってしまうと、
それこそリスクリワードを決めた
意味がなくなってしまいます。
よって、自分の基準を決めた以上、
それに従ってトレードをする必要があります。
それが勝ち続けるトレーダーというものです。
では、この後の動きを見てみましょう。
今度は、
一旦レートが上昇した後に
直近の高値にすら届かずに
下落し始めました。
これは上昇の勢いが
弱まっている証拠です。
また、よく見てみると、
ダブルトップを作りそうになっています。
そこに加えて、
全体の流れも下落トレンドなので、
ここから下がる可能性が高くなりました。
よって、この位置から
売りでエントリーができます。
とはいえ、
本当に売るかどうかは
リスクリワード次第です。
まず、この時の損切り位置は
直近の高値を上へ抜けた場所で、
-30pipsになります。
そして利食い位置は
直近の安値に設定するとなると、
ぴったり+60pipsになりました。
ということは、
リスクリワードが1:2になるので、
この位置からなら
実際に売りでエントリーができます。
では、ここで売ったとして、
この後の動きを見てみましょう。
上手く利食いポイントまで届いて
利食いとなりました。
利食い後の動きを見ると
更に下がっているので、
もっと利益を狙えたのですが、
これは結果論です。
直近の安値で反発をして
戻ってくる可能性も普通にあったし、
基準通りのリスクリワードで
ちゃんとトレードができたので、
ここでの利食いが正解です。
このように、リスクリワードは
守るべき基準として活用することで、
トレードの再現性を高めてくれます。
もちろん、
相場はいつも思い通りに
動くわけではありませんが、
基準を持ってエントリーと
ノートレードを分けられるからこそ、
長期的に安定した結果につながります。
つまり、
リスクリワードは単なる数字ではなく、
感情に流されず冷静に
トレードを続けるための羅針盤なのです。
もし、リスクリワード以外にも
今回の実践例で出てきた、
エントリーや決済方法についての
詳しいやり方を知りたい場合は、
以下の記事も読んでみてください。
まとめ
今回は、リスクリワードは
意味がないものなのかについてや、
それだけで勝てるのかなど、
色々とお伝えしてきました。
リスクリワードは
それ単体だけで使って
トレードをすると
意味がないものになりやすいです。
その代わり、
自分のトレードに対する目安や
基準として使うようにすると、
再現性の高いトレードが可能になります。
その為、
リスクリワードは
エントリーから決済までの
トレードの指標として
使う物だと考えるようにしましょう。
P.S. メルマガを始めました
大衆心理を中心に、
FXで勝つ為のコツをお伝えしていきます。
という方には特におススメです。
もちろん、"勉強すべき事がわからない"
という場合にもオススメです。
メルマガの詳細内容はコチラ
登録はもちろん無料で、
解除もワンクリックで出来ます。