「損切りがヒゲで狩られた後に
狙っていた方向へ動く」
FXをやっていると
こんな場面に遭遇する事がありますよね。
しかも、これを何度も経験すると、
「損切り位置が間違っている?」
「大口や業者に狩られている?」
「狙っていた方向は合ってるのに」
みたいに疑心暗鬼になったり
苛立ちを感じたりと
感情が揺さぶられるんですよね。
実際私自身も同じような経験を
昔はよくしていました。
そこで今回は、
損切りがヒゲで狩られる理由や
その対策方法について
私の考えをお伝えしていきます。
ヒゲで狩られる原因は?
まず、そもそもなんで
損切りがヒゲで狩られるのでしょうか?
これには色んな原因があるのですが、
代表的なものとしては、
・大口によるストップ狩り
・流動性が低い時間帯の価格変動
・自分都合の損切り
といったものがあります。
大口によるストップ狩り
これはストップ狩りの中で
一番よく言われているかもしれません。
例えば、大口投資家は
一度の注文で大量の建玉を集めます。
そうなると、
自分達の注文によって
レートが動いてしまい
不利なレートで約定してしまいます。
これを防ぐ為に、
・強いサポートやレジスタンス
・目立った高値や安値
・キリ番
といった、
個人トレーダーの注文が
多く溜まっている場所に
自分達の注文をぶつけてきます。
例えば、
下記チャート画像の黄色マルでは
下ヒゲ陽線が出てから
大きく上昇していってますよね。
これは下落トレンドの状態ですが、
この位置で一旦反発をしています。
つまり、ここでは買いが入った証拠です。
そうなると、ここで買った人達は
損失を最小限に抑えるために、
この安値を下へ抜けた場所に
損切りを設定しています。
大口投資家はこの近辺で、
軽く売りでつついてきます。
そうすると、
レートが下がって直近の安値まで来ると、
買っていた人達の損切りが発動して
勝手にレートが下がっていきます。
更に、直近の安値を下へ抜ける事で、
ブレイク売りを狙っていた人達の
逆指値注文も発動します。
これによって、
大量の売り注文が出ます。
この時に大口投資家は
軽く売っていたポジションを
利食いすると同時に、
買い注文も入れてきます。
すると、レートが上がり始めて、
ローソク足が下ヒゲになります。
そうなると今度は、
安値更新を狙って売っていた人達が
「ヤバい!下ヒゲ陽線になった!」
「これはダマシだ!」
と焦って一斉に損切りをしてきます。
この損切りが買いの力になって
一気に上昇していきます。
このように、
大口投資家は軽く売りを入れて
レートを動かすだけで、
勝手に買いの損切りや
新規の売り注文が連鎖してレートが動くので、
その間に建玉を集める事ができます。
相場参加者に意識されるような場所で
エントリーをすると
その動きに巻き込まれて
損切りがヒゲで狩られる事が
起きやすくなるのです。
もし、大口投資家の動きについて
もう少し色々と見てみたい場合は、
以下の記事を読んでみてください。
⇒FXで大口投資家はどこを狙ってくる?大衆心理から考えてみた
流動性が低い時間帯の価格変動
流動性が低い時間帯も
レートが変な動きをして
ヒゲになる事が結構あります。
例えば、
以下のチャート画像なのですが、
朝6時の切り替わりで
急に下に動いた後に結局ヒゲになって
上昇していきました。
あとは早朝以外でも
欧米市場が休場の時なんかは
流動性が低くなるので、
変な動きをしやすいです。
しかも、流動性が低い相場だと
スプレッドも広がりやすいです。
よって、
こういう時にポジションを持っていると
変な動きとスプレッドの広がりによって
ローソク足がヒゲになって
そこで狩られることが意外に多いです。
実際に私も昔は
常にトレードをしていたくて、
早朝やFXの市場が休みの時でも
お構いなしにポジションを持っていました。
でも、そういう時に限って
よく狩られていた経験があります(笑)
自分都合の損切り
自分都合で損切りをしている場合も
ヒゲで狩られた後に
狙っていた方向へ動く事が多いです。
自分都合の損切りとは、
相場のボラティリティを無視して、
固定pipsや固定の損失額で
損切りを設定している事です。
この方法だと、
損切りを常に一定の金額で
抑えられるのですが、
損切り貧乏になりやすいです。
過去の私も損失額を
常に一定に抑えたくて
損切り幅を固定していたのですが、
ヒゲで狩られる事が多く、
損切り貧乏になっていました。
特に、サポートやレジスタンスなど、
相場参加者に意識されそうな場所を
抜ける前に損切りをしてしまうと、
ヒゲで狩られる事が多くなります。
例えば、下記チャート画像の
黄色マルで買いエントリーをしたとします。
この時に損切りを-30pipsで固定すると、
水色ラインの位置になります。
これだと、
損切り後にヒゲになって
再度上昇していますよね。
しかし、本来の損切り位置は
押し安値を下へ抜けた場所になります。
このように、
損切りを自分の都合だけで設定していると
ヒゲで狩られることが多くなります。
もし、この事について
より詳しく知りたい場合は、
以下の記事を読んでみてください。
⇒損切り貧乏から脱出!FXの損切りラインの正しい決め方と実践例
FX業者はストップ狩りをしている?
ここまで損切りがヒゲで狩られる原因を
簡単に解説してきたのですが、
「FX業者もストップ狩りをしているのでは?」
なんてふと思ったかもしれません。
ここに関しては、
真相は不明なのですが、
可能性はゼロではないと思います。
なぜなら、FX業者の多くは
相対取引といって、
顧客の注文を業者側が受け取って、
それと反対の注文を業者がおこなって
顧客と反対のポジションを持つ
仕組みになっているからです。
その為、
顧客が損切りでポジションを決済すると、
業者側は利食いでポジションを
決済する事になります。
ということは、
顧客が利食いをすれば、
業者の損失になるわけです。
このような仕組みから、
FX業者側がスプレッドを広げたり、
インターバンクのレートを元にして
自社でレートを作ったりしながら
顧客の損切り注文を発動させて
利益を得ている可能性があります。
そしてこれが起きた時は、
大体がローソク足で
他の業者では出ていない
大きなヒゲが出ている事が多いです。
特に強いサポートやレジスタンスなど、
注文が溜まっているような場所で
こういうのが起きる傾向があります。
そっちの方が
大量の顧客の損切りを
一斉に出させることができるので、
利益が大きくなるからです。
しかし、そうはいっても、
実際にやっているかどうかは不明です。
特に国内のFX業者は
金融庁の監視がけっこう厳しいらしく、
不正操作をできないと言われているのですが、
どうなんでしょうね。
逆に海外のFX業者だと、
金融庁の管轄外になるので、
こういったストップ狩りは
多少起きやすいかもしれません。
ただ、海外のFX業者でも
流動性不足やシステムの要因による
一時的な動きの場合もあります。
ですから、
故意にストップ狩りをしているかは
正直わからないのが現実です。
私も昔はこのような場面に遭遇すると、
「絶対に俺のポジションだけを狩っている!」
なんて文句を言っていたのですが、
今思い返せば、
「たった5万通貨程度のポジションを
ピンポイントで狙ってるわけないよな」
なんて思ったりもします(笑)
損切りによるヒゲ狩りは確実に防げるのか?
FXをやっていると
必ずと言っていいほど
損切りによるヒゲ狩りを
経験しますよね。
こういうのを何度か経験すると、
「ヒゲ狩りを防ぐことができないかな?」
なんて考えるのですが、
必ず防ぐ方法はないと思った方がいいです。
こればっかりは、
どんなに損切り幅を広げても、
自分が損切りした場所が
底になって反転することは必ずあります。
私も今ですら
損切りした場所が底になって、
反転することは普通にあります。
そもそも相場は無数の参加者の思惑や
注文が入り乱れて動いており、
完璧に未来を予測することは不可能です。
テクニカル分析をどれだけ極めても、
突発的な注文や
予期せぬ値動きでヒゲは必ず発生します。
ですから、
ヒゲ狩りをなくそうと考えるよりも、
ヒゲ狩りがあっても
トータルで勝てる仕組みを作ることへ
意識を集中した方がいいです。
実際に勝ち続けているトレーダーも、
損切り後に反転する経験を何度もしていますが、
それでも資金を増やせているのは
トータルの優位性があるからです。
損切りによるヒゲ狩りの対策方法は?
狩られて損切りになった後に
思っていた方向へ反転するのを
確実に防ぐことはできません。
その代わり、
この現象を減らしたり、
利益を取り逃さない工夫をする事は可能です。
入り直す
まず1つ目の対策として、
ヒゲで狩られて損切りになった後に
入り直す方法があります。
例えば、下記チャート画像の
黄色マルで買って、
水色ラインで損切りになったとします。
その後に損切りになったローソク足が
下ヒゲ陽線になって反発をしたら
もう一度買いで入り直すのです。
そうすれば、
仮にダマシに会って損切りになっても
それ以上の利益を取る事ができます。
しかし、だからといって、
損切り後にヒゲが出たら
何でもかんでも
入り直していいわけではありません。
ストップ狩りのような動きが出やすいのは、
強いサポートやレジスタンス、
目立った高値や安値、キリ番など、
誰が見ても明らかに
意識されるような場所になります。
ですから、
このような場所でトレードをして
ヒゲで狩られた場合に
入り直しを狙っていくのが効果的です。
ベストは自分のトレード記録を見返して、
どんな時にヒゲで狩られているのかを
まずは確認します。
そしてそこでパターンが見つかったら、
本当に入り直しが有効なのかを
しっかり検証する事です。
こうすれば、
入り直しのテクニックを
身に付けることができて、
それが立派な武器になります。
損切り方法や損切の位置を見直す
損切り方法や損切の位置を見直す事で、
狩られて損切り後に反転するのを
ある程度減らすことは可能です。
これは特に、損切り後の反転が
あまりにも多い場合に効果的です。
ヒゲで狩られる損切りが
損切りトレード全体の
50%を超えるような場合に
見直してみるのがいいです。
例えば、
この記事の初めの方でお伝えしたように
損切りがヒゲで狩られるのって、
固定pipsや固定の損切り額など、
相場のボラティリティを
無視した状況で起きやすくなります。
ですから、
まずは損切り位置を
サポレジや目立った高安を
抜けた場所など、
「ここを抜けたらもうダメだ」
と多くの相場参加者が
判断するような位置に設定します。
そして、
このような位置に設定してから、
エントリー位置やロットを調整して
固定の損切り額やpipsで
損切りを置くようにするのです。
そうすれば、ヒゲで狩られて
損切り貧乏になるような場面を
かなり減らすことができます。
もし、損切り位置の設定方法について
詳しく知りたい場合は、
以下の記事を読んでみてください。
自分のトレードを正しく把握する
これはヒゲで狩られるのを
減らしたり改善したりするというよりも、
自分のトレードを正しく把握して
損切り後の反転が起きても
焦らないようにする方法です。
例えば、ヒゲで狩られてから
思っていた方向へ動く現象が
何回か出たりすると、
「ストップ狩りが異常に多いな」
なんて感じてしまいます。
でも実際はトータルで見ると、
そんな事もなかったりします。
この事を正しく把握して
余計なことをしない為にも、
自分の手法を過去5年分など検証をして、
損切り後に反発するのが
どれくらいあるのかを確認するのです。
例えば、私の感覚では、
ヒゲで狩られて反転する損切りが
損切りトレード全体の30%以下なら
狩られるのが多いとは判断しません。
なぜなら、過去の私も
これについて検証をしてみたのですが、
ヒゲ狩りが30%以下の時は
狩られるのを減らす為に
損切り幅を広げるよりも
何もしない方が
トータルの成績が良かったからです。
私の過去の検証例をあげると、
損切り幅を-20pipsにした
損切りトレードが100個ありました。
そしてその内の30個である、
-600pips分が
損切り後に反転していました。
この30個をゼロにする為に
損切り幅を-35pipsに広げたところ、
-600pips分を減らす事ができました。
しかし、
残りの70個分は1つの損切りに対して、
15pipsずつ損切り幅が増えたので、
合計で-1,050pips増えた事になります。
よって、この2つを合算すると
全体の損失が
450pips増えていたのです。
つまり、
損切り後の反転が30%以下なら、
損切り幅を広げない方が
結果が良くなる事がわかったのです。
これがわかってからは
自分のトレードにとっては
ヒゲ狩りの損切りが30%以下なら
それはノイズの範囲内だと
判断できるようになりました。
そのお陰で、
損切り後に思っていた方向へ動いたとしても、
悔しくて余計な事をするような場面が
ほとんどなくなりました。
ですから、
自分のトレードを検証して、
損切り後の反転率が
どのくらいあるのかを確認するのも
オススメです。
これがわかるだけでも
落ち着いてトレードができるようになり、
それが安定した結果へつながっていきます。
もし、検証方法について
詳しく知りたい場合は、
以下の記事を読んでみてください。
⇒FXで勝てる手法を作れる具体的な検証方法とは?
ヒゲ狩りはあまり気にしなくて大丈夫
ここまでヒゲで狩られる原因や
その対策を色々とお伝えしてきましたが、
最終的には
そこまで気にしなくて大丈夫です。
なぜなら、
これは確実に防げるものではないし、
どんな勝ちトレーダーにもあることだからです。
あなただけが
ヒゲで狩られているわけではないので
安心してください。
実際に私だって、
損切りになった場所が底や天井になって
悔しい思いをする事も普通にあります。
しかし、それを含めても
トータルで勝てるので、
あんまり気にしていません。
むしろ、今あなたが集中すべきことは
自分のトレードが勝てるかを確認する為に
しっかり検証をして、
低ロットで実践経験を積んでいく。
そして、失敗と改善を繰り返しながら
トレードを続けていき、
勝ち癖をつけていくことです。
その中で
ストップ狩りのようなものがあっても、
検証で勝てると証明されている手法なら
繰り返していれば必ずプラスになるので
安心してください。
これを変に避けようとして、
損切り幅を広げたりしても、
なる時はなりますから。
それであれば、
損切り後の反転が
あまりにも多い状況に遭遇しない限り、
それはノイズの範囲内と割り切って
次のチャンスを待った方が
勝てる確率は上がります。
もしくは、
自分のトレードに対する
ストップ狩りの特徴を見極めて
入り直す技術を身に付けるのでもいいです。
とにかく、
これは誰にでもある事なので、
極度に怖がることもないですし、
無理矢理改善しようとしなくても大丈夫です。
今のあなたには
FXでちゃんと勝てる力が備わっているので、
焦らず丁寧にコツコツと
経験値を積み上げていきましょう。
まとめ
損切りがヒゲで狩られた後に
思っていた方向へ動くと
利益を取り逃した気持ちになって
悔しいですよね。
ですがこれは、
誰にでも起きる自然な現象です。
完全に防ぐことはできませんが、
入り直しや損切り位置の見直し、
そして検証による自分のトレードの把握で
その影響を減らすことは可能です。
何よりも大切なのは、
焦らずにトレードを続けて、
狩られても勝ち続けられる手法に
育てていくことです。
ヒゲ狩りは恐れる対象ではなく、
成長の過程で誰もが通る経験だと割り切って、
自信を持って進んでいきましょう。
P.S. メルマガを始めました
大衆心理を中心に、
FXで勝つ為のコツをお伝えしていきます。
という方には特におススメです。
もちろん、"勉強すべき事がわからない"
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